ロングテールSEOを使った効率的な施策とは?【対策も解説】

ロングテールSEOを使った効率的な施策とは?【対策も解説】

ロングテールSEOとは

ロングテールSEOとは、検索ボリュームの小さなキーワードを複数組み合わせ、ユーザーがピンポイントに求めるコンテンツを複数制作する施策です。ユーザーの深いニーズに合わせたコンテンツが完成し、競合コンテンツも少ないため、安定した集客が見込めます。

検索数の多いキーワードを使っていても、検索順位が低ければユーザーの目に留まらなくなってしまいます。ロングテールSEOは、この問題を解決できる手法であるうえ、ターゲットを絞っていることでコンバーション率を高められる特徴もあるのです。

ロングテールと呼ばれるようになったのは、ニッチ商品の売上を表にしたときの見た目がきっかけです。商品を横軸・売上を縦軸にすると、長いしっぽに似ていることから、その名がつきました。

ロングテールの理論とは

ロングテールの理論を追究するには、「パレートの法則」を見過ごすことはできません。パレートの法則は、「2:8の法則」と呼ばれることもあります。実店舗では、取り扱い商品を全て陳列できないため、売れ筋商品を効率的に陳列することが大切です。その結果、商品全体の2割に該当するメイン商品が、店舗全体の売上の8割を占めるというものです。

その後、インターネットショッピングが普及すると、パレートの法則とは反対の現象が起こるようになってきました。陳列が不要なインターネットショッピングでは、取り扱う商品を全て紹介できます。この結果、全商品のうち売れないと考えられていた8割の商品が、売上の大半を占める現象が起こりました。この現象が、アメリカの雑誌編集長であったクリス・

アンダーソン氏により、「ロングテール理論」として提唱されました。ロングテールSEOは、理論をSEOに当てはめたものなのです。

ニッチなユーザーが見込まれる商品として、専門書・ビックサイズの服・プロ向けの専門工具などが挙げられます。いずれも顧客層はそれほど厚くないものの、顧客からのニーズが高い商品ばかりです。また、世界的な通販大手のAmazonは、売上が大きくない商品を多数扱うことで、莫大な売上や利益を記録しています。スウェーデン発祥の家具量販店であるイケアも、値段の安さと品数の多さで売上を伸ばしました。動画配信サービスのNetflixは、データを使って動画を提供しているため、マイナーなテレビや映画の取り扱いが可能となり、利用者の増加にこぎつけました。これらは全て、ロングテール理論の活用により成功した好例です。

ロングテールSEOのメリットとは

ロングテールSEOは、検索数が多く汎用的であるビッグワードSEOと、手法が異なります。ロングテールSEOのメリットは、どのような点にあるのでしょうか。

コンバーション率を上げられる

ロングテールSEOでは、絞り込んだキーワードを複数使って、対策を行います。キーワードが増えるほど、ユーザーが知りたい項目や解決したい悩みなどが、具体的に現れる傾向があります。

例えば、キーワードを「風邪 薬」と設定するよりも、「風邪 薬 市販 1類」などと設定した方が、ユーザーのニーズをつかみやすくなります。さらに、第1類の風邪薬を検索していることで、効果の高い市販薬を知りたいという要望が明確にできます。

サイト制作の際、これらの悩みを解決できるよう、内容を最適化できるようになります。薬の情報を調べることで、購入という行動を起こしたいユーザーが多いと分かり、コンバーション率が上がる結果につながるのです。

ユーザーの検索目的が分かりやすい

ロングテールSEOは、複数のキーワードを組み合わせることで、ユーザーが何を調べたいのか検索目的を明確にできます。例えば、「猫」というキーワードだけでは、調べる内容や目的があまりに多く、絞り込むことは不可能です。「猫 しつけ」や「猫 しつけ 方法」など、検索の意図が分かるキーワードを盛り込むと、意図に対する回答がはっきり提示できます。

音声検索に対応しやすい

ロングテールSEOと、音声検索や音声アシスタントなどは、相性が良いと言われています。音声検索は、単語ではなく話し言葉を使うため、必然的に複数単語を使った検索キーワードを使用します。テキストで検索するよりも、会話に近い検索が可能です。

上記の理由から、音声検索では単一キーワードを使う頻度が下がり、複数キーワードを使う重要性が認識されています。

検索ボリュームが少なく上位表示が見込める

ロングテールにおけるキーワードとビックワードは、検索ボリュームが圧倒的に異なります。ロングテールキーワードを使うと、競合性が低くなり、ビッグワードよりも上位表示できる可能性が高くなるのです。

コストを抑えたSEO対策ができる

ロングテールSEOは、やり方を覚えれば低予算でSEO対策ができます。キーワードと連動して広告を表示するリスティング広告は、一般的に毎月数十万円の費用がかかりますが、ロングテールSEOは広告費がかかりません。また、Webサイトの設計変更も不要であり、外注する必要もなくなります。

外注によるコンテンツ制作は、Webサイトへのアクセス数や流入数は増加しますが、その分コストもかかります。コストを抑えて対策を図るには、ロングテールSEOが効果的です。スタッフの人件費はかかるものの、ほかのコストがかからないため、すぐにでもできる対策といえるのです。

ロングテールSEOの注意点とは

ロングテールSEOのメリットを解説しましたが、注意すべき点も存在します。ロングテールSEOのメリットを十分活かすために、注意点を理解しておくことも重要です。

コンテンツ管理に気を配る必要がある

ロングテールSEOは、多数のコンテンツを制作・管理することで成り立つ手法です。コンテンツが増えるにつれ、管理の手間も増えていきます。管理が行き届かなくなると、コンテンツ内のリンクが切れてしまう可能性もあります。また、内容が似たコンテンツがあるのに気づかないことも考えられるのです。

コンテンツの確認や管理は手間がかかりますが、SEO対策にはとても重要な作業です。コンテンツごとの成果を随時分析し、必要があれば改善を施すなどの対策が求められます。

上位表示されるようになるまで時間がかかる

ロングテールSEOは、検索数が少ないため、一定の検索数に達するまでかなりの時間を要します。対策を始めてから成果が出るまでに、コツコツと作業を行う必要があります。

内容が濃いコンテンツを量産すると、流入数の増加は見込めますが、上位表示には継続した流入が必要です。即効性がない対策だという点は、始める前に理解しておきたい注意点です。

似た内容のコンテンツを量産しないよう注意が必要

ロングテールSEOの対策には、複数のキーワードを掛け合わせて用いますが、キーワードの意味合いが似ていると、コンテンツの内容もほぼ同じになってしまいます。コンテンツの数が増えても、ユーザーが満足しない内容では意味がありません。

例えば、「ヘアケア 方法」「ヘアケア 手段」の2つを見ると、方法と手段は意味合いが似ており、必然的に内容も類似してきます。コンテンツを量産することに重きを置いていると、類似コンテンツの存在に気づかない可能性も高まります。

ユーザーがコンテンツを離脱しないようにし、何度も訪れてもらえるコンテンツ作りを目指すためにも、内容が似たコンテンツがないかどうかを確かめるようにしましょう。

ロングテールSEOを活用したコンテンツを制作する方法とは

ここまで、ロングテールSEOを行うメリットや注意点などを、詳しく解説してきました。ロングテールSEOのメリットを活用したコンテンツを制作するには、以下の流れで行うのがおすすめです。

1、対策キーワードを選定する

最初に、軸となるビッグワードを設定し、ビッグワードに組み合わせるキーワードをピックアップしてみましょう。ピックアップしたら、関連が深いキーボードを見極めて選びます。キーワードを見つけるには、以下の方法がおすすめです。

  • Google検索のサジェスト機能を参考にする

サジェスト機能とは、Google検索の画面でキーワードを入力すると、候補が表示される機能です。表示されるキーワードは、月間検索数が増えているキーワードであり、SEO対策に有効とされています。

具体的な月間検索数を知りたい場合は、Google広告のキーワードプランナーという機能が活用できます。月間平均検索ボリュームという項目がありますので、一度確認してみてください。

  • ツールを利用する

キーワード選定に利用できるツールとして、ラッコキーワードやキーワードファインダーといったツールがあります。ラッコキーワードは、無料プランと有料プランがあり、基本的な機能を使うのであれば無料プランで問題ありません。キーワード検索以外にも、共起語取得ツールや周辺語取得ツール、類語・同義語取得ツールなどが活用できます。ラッコキーワードを使う際には、キーワードプランナーとの併用が便利です。

キーワードファインダーは、登録可能サイトや管理キーワードの数などにより、3つの有料プランから選択します。キーワードの自動取得および自動分類、順位の比較、簡易SEOチェックなど、多彩な機能が搭載されたツールです。

上記のほかにも、ツールはいくつかありますので、使いやすいツールを見つけて活用しましょう。

2、コンテンツの方向性を決め、制作する

キーワードをひと通りピックアップしたら、制作するコンテンツの方向性を決めていきます。ピックアップしたキーワードは、ユーザーが求めるものを探るために使うものであり、無理にコンテンツに盛り込む必要はありません。

コンテンツ制作の原則は、1つのコンテンツに1つのキーワードを設定することです。同じキーワードで複数のコンテンツを制作したり、1つのコンテンツに複数のキーワードを入れると、SEOの観点で不適切と判断されます。

コンテンツの中でできるだけ長文を含めないように注意し、内容が濃くなるよう十分吟味しながら制作していきましょう。必要な箇所に、内部・外部リンクを設置すると、コンテンツ内での滞在時間が高まるほか、Googleからコンテンツ評価を受けやすくなるため効果的です。

3、できあがったコンテンツを管理する

コンテンツが完成したら、アクセス解析ツールを活用しながら、コンテンツに対する反響を定期的に確認します。解析ツールは、Googleアナリティクスが広く知られています。

ある程度時間が経過しても、アクセス数が増えなかったりコンバージョン率が低かったりすると、コンテンツのどこかに課題が隠れているはずです。場合によっては、タイトルやディスクリプションの変更も必要となるでしょう。

対策キーワードの選定にはこのツールを活用しよう

ロングテールSEO対策キーワードを選定するのに、ラッコキーワードやキーワードファインダー、キーワードプランナーなどが有効だと先述しました。これら以外にも、キーワード選定に活用できる無料ツールがありますので、ここで紹介します。使い勝手が良いと思うツールを活用しましょう。

ruri-co(ルリコ)

キーワードを使った検索結果のURLを対象として、競合の順位状況や類似したキーワードなどが調査できます。キーワードの検索結果や類似率の高さ、キーワードの検索ボリュームのなどが一度に把握でき、とても便利なツールです。

Googleサーチコンソール

Google検索における表示状況や、サイトの問題点などが把握できます。機能の中で特に活用したいのは検索クエリであり、これはコンテンツに流入したユーザーが、Google検索でどのキーワードを入力したかが分かる機能です。

Googleトレンド

世界中で、どのようなキーワードが多くGoogle検索されているかを調査できます。調べたいキーワードの人気度が分かるほか、一定期間に話題となったキーワードや急上昇したキーワードなども分かります。関連したキーワードまで掘り下げて調べられるため、ロングテールSEOの対策キーワード選定におすすめです。

ウーバーサジェスト

キーワードプランナーと同じように、キーワードの検索ボリュームが調整できます。キーワードプランナーと異なるのは、検索ボリュームの表示方法や、表示される関連キーワードなどです。キーワードプランナーと合わせて使うことで、調べられるキーワードの幅が広がります。ただし、無料版の検索回数は1日3回であるため、使い過ぎに気を付けなくてはいけません。

ahrefs(エイチレフス)

世界各国で利用されているツールであり、ロングテールキーワードの調査のほかにSEO分析も可能です。競合他社の分析もできますので、比較したうえでより良いコンテンツ作りの参考にできます。

キーワードツール

キーワードプランナーの代替ツールとして、Googleアカウントを持っていない人でも利用できます。無料版と有料版があり、有料版ではロングキーワードを取得したり検索エンジンを最適化したりすることが可能です。定期的なキーワードチェックのために、キーワードごとの検索数取得も活用できます。

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この記事の監修者

株式会社ブランディングワークス編集部

株式会社ブランディングワークス編集部

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