企業・個人に関わらず、Webサイトを運営している中で、アクセス急増やGoogleによる検索順位の影響などで「現在利用しているサーバーよりスペックの高いサーバーへ乗り換えたい」、「セキュリティ対策にもっと力を入れたい」、そのほか「利用料を安く抑えたい」など、様々な理由でサーバーやドメインの移管作業を行うことがあります。
サーバー移管・ドメイン移管という言葉だけを聞くと混同して考えてしまったり、それぞれの意味が分からず壁にぶつかり、移管作業に挫折しそうになったりすることも多いようです。
そこで本記事では、そもそも「サーバー」・「ドメイン」とは何なのか?という基礎知識から、今まで利用してきたサーバーやドメインを移管する場合のおおまかな手順や注意点などをご紹介していきます。まさに今、サーバー・ドメイン移管を必要とされている方の参考になれば幸いです。
まずはサーバーとドメインのそれぞれの意味を頭に入れましょう。
ここでお話しするサーバーとは、Webサーバーのことを指しています。このWebサーバーは、WebサイトのHTMLやCSS、画像などのデータを格納し、Webサイトを公開するという役割があります。とは言っても、専門用語を並べてしまったことで少し難しいと感じた方もいるはず。そんな方のためにもう少し分かりやすく説明しますね。
よく「サーバー=土地」と例えられるのですが、例えばあなたが新しいお家を建てようと考えた時、まずは「土地」探しから始めるのではないでしょうか?というのも土地がないと家を建てることができないからです。まさにサーバーも同じ仕組みで、サイト(新しいお家)を作ろうにも、サーバーがないと作ることができません。Webサイトを作るために必ず必要となるのがサーバーなのです。
つまり、「サーバー移管」は簡単に言うとこの“Webサーバーの場所を変更する”という作業のことを指します。※後の項目でもう少し詳しく説明します。
ドメインとは、例えば「branding .jp」というドメインにアクセスがあった場合に“どのWebサーバー”へつなげるかという役割があります。先程、サーバーを「土地」に例えてみましたが、それで言うと「ドメイン=新しいお家」=「新しいお家=インターネット上の住所」のことだと考えてみてください。
例:【https://www.branding.jp】
このURLの「branding.jp」がドメイン名となります。
このドメイン名(住所)さえ分かれば、探しているサイト(新しいお家)に辿り着ける、というわけです。
なお、ドメインには「独自ドメイン」というものがあり、より信頼性が高く企業におけるサイト等ではほとんどの場合「独自ドメイン」が使用されています。知らなかったという方は以下を確認してみてくださいね。
「独自ドメイン」とは
「独自ドメイン」…“お名前.com”、“ムームードメイン”、“さくらのドメイン”などのドメイン取得サービス(会社)で取得できる、世界にたった1つしかないオリジナルのドメインのことです。
すでに使用されている場合を除き、自分で好きな文字列を指定して取得することができます。例えば、ある「ABC引越し会社」という引っ越しサービスを展開する企業がサイトを作るとしましょう。そのとき、以下のどちらの方がこの企業らしいと言えますか?
・https://www.1234567.jp
・https://www.abchikkoshi.jp
おそらく後者なはずです。このように、独自ドメインは、自分で好きな文字列を指定することができるため、より企業やサイトの信頼度アップにつながり、サービス等もイメージしやすくなるでしょう。
また、取得費用は「.com」や「.net」などのトップレベルドメインによって、また業者によっても変わります。コストを抑えたいところですが、安いけれど不安がある業者であれば突然Webサイトが見られなくなったり、漏洩したりといったリスクもあるので、信頼できる業者を選びましょう。
移管と言っても、必ずサーバーとドメインのどちらも移管すると決まっているわけではありません。目的によってはサーバーのみ、もしくはドメインのみというケースもあります。実際、どのような場合にどの移管作業が必要になるのかを説明していきます。
違いを理解すれば、どちらの移管が必要なのか、もしくはどちらも移管作業が必要なのかがはっきり分かってくるはずです。なお、移管作業は主に以下の3つのケースが存在します。
・サーバーのみ移管
・ドメインのみ移管
・サーバー/ドメインの両方を移管
サーバー移転は、“現在使用しているサーバーを他社へ変更すること=別のWebサーバーへデータを移す作業のこと”を指します。例えば、“安いサーバーに変えたい”、“より高性能なサーバーにしたい”、“セキュリティを強くしたい”など、サーバーの料金や性能などを理由として行います。
その際、ドメインの登録事業者の変更は必要ないため、サーバーを移管するからと言って必ずしもドメイン移管を行う必要はありません。
ドメイン移管は、あるドメイン登録業者で取得したドメインを、別のドメイン管理会社へ変更することを言います。ドメイン移管をしても大きく何かが変わるわけではなく、ドメイン維持費の支払い先・管理先が変わるだけの話です。ややこしくなりがちなドメインの管理情報を一元管理する場合にこのドメインのみ移管作業が発生します。
また、例えばある制作・管理会社にサイト制作を依頼し、そのサイトに既存サイトで使用していたドメインをそのまま使用したいという場合にもドメイン移管作業が必要になります。
ドメイン移管時には移管費用が発生しますが、契約管理や複数ドメインの管理が楽になったり、ドメインの更新料金が安くなったりするというメリットがあります。
サーバー・ドメインの移管は言い換えれば「サイトの引っ越し」です。自社で管理しているWebサイトを他社に譲る場合に、譲渡先が指定するサーバーとドメインを別の事業者へ移管する場合があります。
譲る側が1つのサーバーで複数のWebサイトを管理している場合は、サーバーの名義を譲渡先の企業へ変更できないため、サーバーとドメインの移管作業が必要となります。
まずはじめにサーバーのみを移管する場合のおおまかな手順と、その際の注意点を説明していきます。
・新しい(移管先)サーバーの申し込み手続きを行う・契約を行う
・新しいサーバーにドメインを設定する
・新しいサーバーへ旧サーバーにあるデータを移行する
・DNSサーバー(ネームサーバー)情報の切り替えを行う
※ネームサーバーはこれからどのサーバーを利用するかを決定するためのアドレスのこと。そのため、古いサーバーではなく、新規で利用する“移管先”のサーバーを設定します。
・旧サーバーとの契約を解除する
移行作業だけであれば最短1日でできますが、情報の反映に数日を要することがある、という点が注意したいポイントです(およそ3日を想定しておきましょう)。そのため、サーバーの移行作業が終了したからと言ってすぐに旧サーバーの契約を解除することはとても危険!
「3日=72時間」を待つことなく旧サーバーを解約してしまうとWebサイトが表示されない期間が出てきてしまいます。このように作業後すぐは新サーバーと旧サーバーのどちらに接続されているか分からないため、新・旧2つのサーバーを重複して契約しておきましょう。
次にドメインのみを移管する場合のおおまかな手順とその注意ポイントをご紹介します
・ドメイン取得してから60日以上経過しているか確認する
・旧(現)ドメイン登録業者で移管条件を確認・登録情報を確認する
・旧(現)ドメイン登録業者へ移管申請をする(変更手続きが可能な状態にしてもらう)
・新ドメイン登録業者(移管先)へ移管申請をする
・新ドメイン登録業者へ入金、ドメインの移管作業を行う
・移管完了メールを確認する
※ドメインの管理会社によって、ドメイン移管完了までの流れや時間が多少異なる場合がございます。(一般的に数日から数週間程度かかります)
ドメインは取得後にすぐに移管できるわけではありません。取得後60日が経過するまでは移管作業ができないため、移管作業を行う際に事前に確認しておきましょう。取得から60日が経過したら旧(現)ドメイン登録業者へドメインロックの解除を依頼してください。(※ロックを解除してもらわない限り、移管作業に移れないことがあります。)
また、手続きの仕方はドメインの種別によって異なることがあるため、ドメイン登録業者の作業マニュアルに沿って進めましょう。
ドメインとサーバーをどちらも移管する場合は、サーバーのみの移管作業とドメインのみの作業を組み合わせればOKです。
・旧サーバーと旧ドメインの移管時に必要な情報・登録情報を確認する
・新しい(移管先)サーバーの申し込み手続きを行う・契約を行う
・旧(現)ドメイン登録業者へ移管申請をする(変更手続きが可能な状態にしてもらう)
・新ドメイン登録業者(移管先)へ移管申請をする
・旧(現)ドメイン登録業者で移管条件を確認・登録情報を確認する
・新ドメイン登録業者へ入金、ドメインの移管作業を行う
・新しいサーバーにドメインを設定する
・新しいサーバーへ旧サーバーにあるデータを移行する
・DNSサーバー(ネームサーバー)情報の切り替えを行う
・変更が完了したら、旧サーバーを解約する
ドメインとサーバーを移管する際はすべての作業が自社だけで完結しない場合もあります。もし、他社のサーバーやドメインアカウントにアクセスする必要が出てきた場合には、必ず確認してから移管作業を進めるようにしましょう。※Webサイトのすべての情報が社外へ流出してしまう可能性があるためです。
また、売買契約を交わす場合は特に作業の流れが複雑になりがちなので、Webサイトの移管業者へ依頼するのもひとつの手として考えておいてもよいでしょう。
サーバーやドメインの移管作業では、主に以下のような状況やトラブルが生じやすいため、事前に把握しておきましょう。
ドメイン移管の項目でも少し触れましたが、ドメイン取得から60日以上が経過しない限りは基本的に移管作業を行うことはできません。ただ、“同じドメイン登録事業者間”で移管するという方法であれば、例外的に移管できることがあります。
また、他社のドメイン登録業者に移管するよりも、同じ登録業者間で移管した方が手間もなく手続きも非常に楽に済ませることができるでしょう。
ドメイン登録業者に登録するドメインには「Whois情報(※)」が登録され、ドメイン審査において管理者の氏名・住所に誤りがある場合は移管申請を拒否されてしまいます。入力間違いや漏れなどがないか、移管申請を出す際はしっかりとチェックしておきましょう。
※「Whois情報」…ドメインの管理者情報のことで、ドメインの移管時にはこのWhois情報が徹底的に確認されます。
これだけ聞くと不安になってしまいそうですが、サーバーの移管作業に失敗すると、すべてのデータが消滅してしまうことがあります。移管作業の失敗の他にも、サーバー自体の故障 の可能性もゼロではなく、すべての大切なデータがなくなってしまうケースもこれまであります。
そうした万が一の事態に備えて、バックアップは必ずとっておきましょう。もしデータが消失してしまっても、すべてのデータを事前にバックアップしておけば問題ありません。
また、データを復元することでいつもの状態に戻すことができるので、可能な限りデータのバックアップ機能が標準的に搭載されたサーバーを選ぶことと安心です。安さだけで選んでしまうとこうしたバックアップ機能がないものが多い傾向にあります。
コスト重視の方であってもデータが消えてしまえばこれまでの全てがパーになりますから、バックアップへの投資は必要経費だと思っておきましょう。
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本記事では、サーバー・ドメインの基礎知識や、それぞれの移管作業の手順・注意点についてご紹介してきました。初めての場合はもちろん、それほど何回も経験する作業ではないことだからこそ、“自分でうまくやれるかな?”と不安に思われるのも当然のことです。
本記事ではあくまでおおまかな流れをご紹介してきましたが、サーバー管理会社やドメイン登録業者によって多少の作業の違いがあるかと思いますので、移管作業を行う際は事前にそれぞれの業者等に確認をしておくと安心です。
基本的に案内された流れに沿って作業を行えば、特に難しいこともなく移管を進められるので不安になったり身構えたりする必要はありません。この記事で流れを掴んで、想定されるトラブルなども頭に入れながら、ぜひ実際の作業に生かしてもらえると嬉しいです。
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