結論から言いますと、滞在時間はSEO検索順位には直接的には関係していないという可能性が高いと言われています。
その根拠について説明していきます。
滞在時間とは、Webサイトを閲覧し始めてから別のWebサイトに移るかブラウザバックするまでの時間を指します。
滞在時間はGoogleアナリティクスを使って計測することが可能です。
また、滞在時間には「平均セッション時間」と「平均ページ滞在時間」という2つの種類があります。
「平均セッション時間」はWebサイトの閲覧を始めてから別のWebサイトに移る時間を計測することで、サイト全体の検証に使われます。
ユーザーが最初のページだけを見て離脱してしまう「直帰」という行為を行った際はセッション時間はゼロとして計測される点は注意が必要です。
Googleアナリティクスの「ユーザー」→「概要」の順で確認することができます。
一方、「平均ページ滞在時間」は特定のページにどのくらい長くいたのかを計測しています。
どのページがよく見られているのかを検証する際に参考にされているケースが多いです。
Googleアナリティクスの「行動」→「概要」の順で、Webサイト内全てのページの平均滞在率を確認することができます。
ページ毎の滞在率を確認したい場合は、「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」で確認することができます。
文字数に対して滞在時間が長いWebサイトは、ユーザーの検索意図に合致しているが故に読み込まれていると考えることができますね。
例えば、「cat 意味」と検索すると一番上に出てくるWebサイトは単純に単語の意味と例文を記しただけのものとなっています。
滞在時間が長くないと読みきれないような複雑な説明をしているWebサイトが上位に来ているわけではありません。
このことから、滞在時間が長ければ検索上位に来るというわけではないことが理解できます。
また、Google社員であるジョン・ミラー氏は、2016年8月26日に公開された「Google Webmaster Central Office Hours Hangout」という動画で以下のような発言をしています。
「Googleアナリティクスとランキングは紐付いていない。」
これはいわばGoogle公式の発表と同義であり、滞在時間と検索順位に相関が無いと証明された瞬間でもありました。
しかし、この発言は2016年とやや古いデータとなっています。
Googleのアルゴリズムは常に大きなアップデートが繰り返されているため、現在はどのような関係なのかは公表されていません。
白黒はっきりしないですが、先の「cat」の例を考えると滞在時間の長さが検索上位への鍵では無いことはわかりますね。
また、単純に考えれば滞在時間が同じ30分だったとしても途中でユーザーが席を外してすぐに離脱したのか、じっくり読み込んでの30分なのかはわからないですね。
そういった理由から、滞在時間が全てというわけではないことは理解に難くないでしょう。
検索順位には直接関係ないと考えられている滞在時間ですが、長い方が良いWebサイトであることに変わりありません。
なぜそう言えるのかには、しっかりとした根拠があります。
SEO対策としてよく挙げられるのは、先ほど述べた通りキーワードを検索したユーザーが求める情報をしっかり掲載することです。
ユーザーが求める情報があるWebサイトであれば読み込まれる確率は高まるため、同じ文字数でも相対的に滞在時間が長くなるのは当然のことですね。
そのため、ユーザーニーズを満たすWebサイト作りにおいては滞在時間の把握は大切な項目の一つになってきます。
また、滞在時間は競合サイトとの比較にも使うことができます。
Googleアナリティクスでは不可能ですが、他社サイトの分析を行うことができるツールも存在します。
ツールを利用して似たような競合サイトとの滞在時間を比較分析をすることで、ユーザーはどちらのWebサイトに魅力を感じているかを把握することができます。
そのため、他社と比較した自社サイトの改善に滞在時間を使うことができるというわけですね。
では、どのようなWebサイトを作ればユーザー満足度を高め滞在時間を増やせるのかを考えていきましょう。
滞在時間を増やすためには、以下のポイントに気をつけると効果的です。
・ファーストビューの改善
・検索意図に合致した記事内容
・ユーザビリティの改善
・ページ読み込み速度の改善
・内部リンクを増やす
それぞれの施策は全て同じくらい重要なものです。
ひとつずつ解説していきます。
ファーストビューとは、Webサイトを訪れて最初に目に入る領域のことです。
記事タイトルが検索意図と一致していない場合は、その時点でブラウザバックの対象になってしまうため慎重に作成する必要があります。
特に、サイト最上部に設置されている画像となるアイキャッチはファーストビューの中でも最も大事な範囲となります。
この範囲は、悩みを解決したいと思って流入したユーザーの期待値を高める効果が期待できます。
その反面、ユーザーが求める印象とは違う雰囲気の画像を使用してしまうと、欲しい情報が無いと一瞬で判断されてしまうためブラウザバックされる可能性が高まります。
そのため、記事の内容や雰囲気に合致しつつもシンプルで目を惹くデザインの画像を掲載すると滞在時間改善に繋がります。
また、ファーストビューとは少し違いますが、結論は初めに記載し後から理由を記載zしていくというのが一般的なSEO対策の文章構成だとされています。
理由としては、ユーザーが知りたい情報の結論を出すまでの時間が長すぎると答えまで辿り着かないとユーザーが勝手に判断し離脱率は大幅に上昇してしまうようです。
キーワードを検索するユーザーが求める情報が掲載されているかは非常に重要です。
記事の読み込みによって滞在時間が増えるだけでなく、結果的にGoogleから高い評価を得ることで検索順位のアップを狙うことができます。
キーワード上位のWebサイトに掲載されている情報はユーザーの検索意図を汲んでいる可能性が高いため参考にする価値があるでしょう。
また、サジェストワードというキーワードの後に付けやすい言葉を調べて掲載情報をそれに寄せるという方法もあります。
例えば、検索ウィンドウに「香水」と入力すると候補に「香水 付け方」というワードが上位に出てきます。
そのため、香水についてのWebサイトを作成するのであれば正しい付け方を記載するページも作成すると良い、という流れになります。
検索意図に合致していれば、SNSリンクへのアクセス率アップや購買率の増加など、滞在時間の増加以外にも多くの効果を見込むことができます。
このように、様々な方法でユーザーの検索意図を把握することで滞在時間を増やすことが可能となっています。
ユーザビリティとは、端的に言えば操作性やデザイン性を指す言葉です。
デザインが古臭かったりレイアウトが崩れているサイトは、良い情報が掲載されていたとしても読む前にブラウザバックしてしまう人は多いと予想できます。
操作性に関しては、スマホ向けサイトであれば親指が位置している右下にメニューボタンを配置してアクセスしやすくするような対策方法があります。
邪魔にならない場所に検索窓があれば、別の情報を知りたいユーザーが離脱する前に検索窓を利用してくれるため滞在時間アップに繋げることが期待できます。
また、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの各デバイスに最適化されたデザインであることは非常に重要です。
スマートフォンでパソコン版サイトを見ると文字が小さすぎてズームしながら読まなければいけないという経験をした人も多いでしょう。
さらに、いくらデザインや操作性が優れていたとしても、目的の情報に辿り着くまでのクリック数が多い場合はユーザーが別のWebサイトに流れてしまうことも多々あります。
このように、いかに見やすく必要な情報に素早く誘導できるかが滞在時間を伸ばす鍵となります。
単純な話ですが、ページの読み込み速度は速くしておくべきです。
読み込みが一向に終わらないサイトは一文字も読んでもらえずに終わってしまうこともあります。
そのため、挿入する画像や動画は容量を増やしすぎないようにするなどの配慮が必要です。
過去にGoogleが行った調査によると、待ち時間が5〜6秒かかるWebサイトは待ち時間1秒で済むWebサイトの倍以上のユーザーが離脱してしまうという結果が出ています。
読み込み速度に関しては、Googleが提供するPageSpeed Insightで計測が可能となっています。
85点以上のスコアが表示されれば概ね問題はないとされているため、そこを基準に改善していくと良いでしょう。
このように、いかに見やすく必要な情報に素早く誘導できるかが滞在時間を伸ばす鍵となります。
内部リンクを設置し、ユーザーの回遊を促すことでWebサイト滞在時間を大きく伸ばすことができます。
検索の結果たどり着いたページと関連度の高い別ページへのリンクを貼っておくと、必然的に別ページへの流入も増やすことができ、Googleの評価も上げることができます。
適切な箇所に内部リンクを設置することで、ユーザーに網羅的な情報提供が可能となります。
その結果滞在時間は伸び、ユーザーは知りたかったこと以上の知識をつけることができるのでかなり効果的な施策と言えます。
このように、滞在時間を増やすための施策は同時にGoogleからの評価を上げる施策ともなります。
そのため、直接関係は無くとも結果的に検索順位を上げる手助けになってくれるというわけです。
滞在時間に大きく関わってくる項目として、直帰率という概念が存在します。
これは、Webサイトに流入したユーザーが最初のページだけを見て離れてしまう割合を指します。
直帰率を下げることは滞在率を上げることと同義なので、上記の施策を行うことで直帰率を下げることも重要です。
SEO対策をして検索順位を上げるためには何を重視すれば良いのか、と思う人は多いですが、明確な答えは「ユーザーニーズを満たすこと」以外にはありません。
Googleは、検索順位を決定する際にアルゴリズムによって200以上もの項目からそれぞれのWebサイトを判断しています。
それら全てを改善できる対策をするには途方もない時間と労力がかかるため、特に重要な項目だけに対策を取りたいと思われるでしょう。
以前、Google社員が検索順位を決めるアルゴリズムのトップ3を発表したことがありましたが、後にユーザーがTwitterでそのことについて尋ねた際はトップ3に関しては否定されるという出来事がありました。
検索クエリによって重視される項目が違うため、一概にランキングをつけることはできないという理由で否定したと語っています。
実際にはどのような状況で何が重要視されているかは我々には公表されていない状態です。
そのため、検索クエリ毎にどんな項目が重要視されているかを分析し試行錯誤を繰り返していく必要があります。
実際に、Googleは「Googleが掲げる10の事実」というWebページで以下のように語っています。
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」
このことからも、何よりもまずはユーザーニーズをしっかり満足すことを最優先にするべきだというGoogleのメッセージが伝わってきますね。
以上のことから、滞在時間を伸ばすことはユーザーファーストの改善を行った先に見えてくることだと理解できます。
まずは分析から始まり、地道なWebサイトの改善を積み重ねていくことが重要です。
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