希望小売価格とはメーカーや卸売業者が自社で製造した商品を販売する際に希望価格として設定する小売価格のことを指します。店頭価格では小売業者が自由に設定できるものでメーカーや卸売業者は出荷価格しか決めることができません。また、独占禁止法でもメーカーが再販売価格を指定し、小売業者へ販売価格を強制することが禁じられており、希望小売価格はメーカー側が希望した販売価格と位置付けられています。希望小売価格と販売価格の間で差が着くことが多く、1980年代の家電業界では価格競争が激化し、希望小売価格の◯%引きといった店頭価格が標準となり、二重価格表示が問題となっていました。二重価格表示は、不当表示に該当してしまい、景品表示法でも細かく定められています。
店頭で販売されている商品の価格表示は、
・定価
・希望小売価格
・オープン価格
・参考小売価格
の4つがあります。
1つずつ詳しく解説していきます。
定価は主に新聞や書籍に使用される価格で出版社やメーカーが小売業者に対して書籍などの小売価格を変更することを許容しない価格のことです。出版業界では再販売価格維持制度と呼ばれています。
製品を製造しているメーカーが設定しているこのくらいで販売してほしいと希望している価格のことでスーパーなどでみかけるメーカー希望小売価格になります。小売業者への拘束力はありません。
メーカーが製品や商品に対して希望小売価格を設定しない価格のことです。メーカー側は出荷価格のみ決めており、販売価格は小売店で自由に決めることができます。家電量販店で多く見かけるようになりました。
メーカーや製造業者が公式サイト以外で発表している価格のことです。
希望小売価格のメリットは、
・お得感が生まれる
・価格交渉がしやすい
1つずつ詳しく解説していきます。
希望小売価格のメリットは、どのくらい値下げしたかの割引額を表示することができ、消費者にお得感がわかることです。希望小売価格からどのくらい値下げしたかを表示することができ、お得感を演出することが可能なので集客に繋げることに期待ができます。しかし、二重価格表示に抵触しないように希望小売価格での販売実績が一定期間あることが前提になります。
希望小売価格では、希望小売価格は上代、卸値を下代とあらかじめ相場が決まっているので小売業者が仕入れを行う際に掛け率を考慮して価格交渉がしやすくなります。上代に対する下代の割合のことを掛け率といい、商品の販売価格の何%で仕入れることができるかを表したものになります。掛け率は業界や商品のジャンルによって大きく異なります。
希望小売価格のデメリットは、
・価格競争が起きやすい
・混乱を招いてしまう
1つずつ詳しく解説していきます。
希望小売価格のデメリットは、小売業者が値下げ価格を表示することができるので小売業間で価格競争が起きやすくなってしまいます。また、希望小売価格は参考地で小売業者が自由に価格の変更を行うことができます。そのため、価格を大幅に値引きしているかのように不当表示がされてしまう可能性があります。
希望小売価格と販売価格の2つを表示することができますが消費者から見たら商品の本当の価格はいくらなのかという混乱を招く可能性があります。また、大幅な値下げ価格によって商品の安売りが続いてしまうことで特定のメーカーの商品はいつも安売りされていると消費者が感じてしまうことで商品やそのメーカーのイメージが悪くなってしまうことも考えられるので注意が必要です。
SEO支援は1業界あたり1社までの先着順となります為、お断りさせていただく場合もございます。ご了承ください。
Web業界10年以上の知見を持って、無料にてご相談へ対応いたします。
情報収集目的でも歓迎です。お気軽にご連絡ください。