「リテンション」とは、既存顧客との関係を継続・維持していくためのマーケティング活動のことです。
リテンションでは、既存顧客のニーズを吸収し、他の製品やサービスの案内、継続利用の促しや購入を促す施策などで定期的に既存顧客との接点を持つことになり、マーケティングにおいて重要なプロセスと言えます。
リテンションはときに「リテンション・マーケティング」とも呼ばれ、既存顧客を維持する活動によって、中長期的かつ効率的に安定的な利益を得ることを目的に行われています。
低コストで収益の安定化を期待できるうえ、休眠顧客の掘り起こしにも活用できるマーケティング手法です。
企業が安定して利益を得るためには、商品やサービスを継続的に利用してもらえる顧客を確保し続けることが必要です。そこでリテンション・マーケティングが重要となりますが、中でもリテンション・マーケティングが必要となる主な理由は以下の3つです。
マーケティング現場でよく耳にする「1:5の法則」によれば、「新規顧客を獲得するコスト」は「既存顧客を維持するコスト」より5倍ものコストがかかるとされています。もちろん事業の成長や売上増加のために新規顧客の獲得は欠かせませんが、いかに既存顧客を維持できるか(=リテンション)も非常に重要なのです。
特に新規顧客に比べ既存顧客は、すでに製品やサービスに魅力を感じて購入に至っているため、いわば信頼を寄せてくれている存在です。こうした既存顧客には動機づけがしやすく、少ないコストで継続的な購入を促せる可能性があります。新規顧客の開拓よりも遥かに低コストで実現でき、利益率を押し上げられるので注力しない手はありません。また、これこそがリテンションの大きなメリットと言えるでしょう。
既存顧客は自社や商品、サービスのファンになることで、継続的に購入してくれるだけでなく、口コミやSNSで第三者に商品を紹介してくれることにも期待できます。結果的にコストをかけずに新規顧客を獲得できる可能性、また休眠顧客を呼び戻せる可能性も高まります。加えて、休眠顧客に離脱理由に沿った提案をすることで、再購入や再利用を促進できます。
顧客の興味を継続できれば、上位モデルへのアップグレード(アップセル)や、別の商品の追加購入(クロスセル)をしてくれることがあるでしょう。既存顧客にアプローチすることでアップセルやクロスセルを期待できるため、顧客単価を上げるための重要施策と言えます。
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