「アフォーダンス」とは、認知心理学における概念で、「与える・提供する」という意味の「アフォード」という言葉から生まれた造語です。
デザインの現場などでは、初めて見た物であっても、過去の経験を元にその物がどんなものなのか、どんな使い方をするのかを無意識に判断できるという意味で用いられています。
アフォーダンス理論は、アメリカの心理学者J・J・ギブソンが提唱した考え方で、「物が持つ形や色、材質などが、その物自体の扱い方を説明している」というものです。
のちにドナルド・ノーマンがそれに加え、先述したように「初めて見た物であっても、過去の経験を元にその物がどんなものか・どんな使い方をするものなのかを無意識に判断できる」という意味でアフォーダンスという言葉を用いました。
つまりデザインの現場では、「物がどのように使われるか、どのような性質を持つかが、ユーザーに直感的にわかりやすくデザインされているか」という意味合いで使われています。
Webデザインにおいて、例えばリンク先があることを示すのに「青文字の下線が引かれている」、ボタンであることを示すのに「立体感のある矢印」を使うというような暗黙のルールがあります。
これはインターネットの発展・普及した時代のポータルサイトが採用していたルールが、広く人々に認知されたと考えられ、それらの過去の経験から使い方を知覚しているひとつの例です。青文字の下線やボタンは、リンク先に誘導するためにデザインされた知覚の「アフォーダンス」であり、ユーザーにとっての使いやすさにつながっています。
先述したものもありますが、主にWebサイトで使われているのは以下のようなものです。
他のWebページ(リンク先)へ移動させるためのテキストリンクには、青文字で下線が引いてあります。現在ではリンクを貼る際のルールのようになり、ユーザーもリンクであることが分かります。
「次のページへ」や「購入」、「戻る」などは、ボタンで表示されることがあります。このボタンが立体的な三角形、立体感のある矢印マークなどの場合、ユーザーは「クリックできる場所である」と判別しやすくなります。こうした配慮も、ユーザーに対して「クリックできる場所である」とアフォードしていることになります。
検索ボックスに虫眼鏡のマークがついていることがあります。このマークがあることによって、ユーザーはその場所が検索ボックスであると瞬時に判断することができます。
主にスマートフォンでWebサイトを表示した際、画面の上部に、3本線が入ったアイコンが配置されていることが多いです。ユーザーは、そのアイコンをタップすることで、そのWebサイトの「メニュー画面」を開くことができると判断できます。
このように、普段目にしているWebサイトなど身近なところにも、アフォーダンスの考え方がよく用いられているのです。
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