「減価償却」とは、固定資産を購入する際にかかった費用の回収を図る会計処理のことです。
設備や機械、備品といった時間の経過とともに価値が減少する資産を、購入した年に一度に経費とするのではなく、使用可能期間にわたって分割して計上する方法を意味します。
減価償却の目的は、時間の経過とともに価値が減少する固定資産にかかる費用を、公平に分配し費用収益対応するためです。取得した機械装置などの固定資産は、いつまでも新品の状態であるわけではありません。
使用や年数の経過により摩耗し、老朽化していきます。こうして経済価値が減少することから、会計上、減価償却費という費用と考え、分割して計上する必要があります。それにより正確に経費計上ができるのです。
減価償却できる資産を「減価償却資産」と呼びます。業務に使用している、かつ時間の経過とともに資産価値が減少する固定資産は減価償却の対象となります。具体的には、使用可能期間が1年以上・取得価額が10万円以上のものが対象です。
中でも、形のあるものを「有形固定資産」、形のないものを「無形固定資産」と言います。
例) 機械装置(パソコン、プリンターなど)、建物、構築物、車両など
例)ソフトウェア、特許権、商標権、意匠権など
減価償却のメリットとして、税務上の影響が挙げられます。税法による限度額の範囲内であれば、減価償却費には“節税効果”があるのです。また税務上、減価償却は計画的かつ規則的な実施を求められることから、今後の事業年度における節税効果を見積もることが可能です。
固定資産には、種類ごとに細かく耐用年数が定められています。そのため、会計処理の際にはその耐用年数に応じて、費用の計上や仕訳を行っていく必要があります。固定資産ごとの耐用年数を間違わないように注意しましょう。
青色申告書を提出した中小企業や個人事業主を対象に、30万円未満の減価償却資産を購入した場合、合計額300万円を上限に、全額を一度に必要経費にできる特例があります。
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