「オムニコマース」とは、「オムニチャネル・コマース」の略語で、何らかの形で“インターネットを介するすべての消費”を意味します。
一般消費者がオンライン上の情報を閲覧し、オンラインまたは実店舗のどちらで購入するか選べる販売スタイルであり、インターネットを利用したあらゆる消費活動がオムニコマースに含まれます。
「オムニ」には「あらゆる」という意味があります。つまり、オムニチャネルは複数のあらゆるチャネルで顧客と接点を持ちつつ、最終的な購買経路は消費者が自由に選べるというものです。
オムニコマースの特徴として、事業主が有するすべてのショッピングチャネルが連携しているという点が挙げられます。例えば、消費者がオンラインで商品を予約し、週末に実店舗を訪れてその場で支払いや受け取りを完了する、といったことが可能になります。消費者は商品を買う場所が選べるため、行動やニーズに合わせて最終購入の場所を選択できます。
このように、オムニコマースは消費者の利便性が向上することから小売事業者を中心に広く活用されるようになりました。
マルチチャネルとは、ターゲットユーザーに合わせて、さまざまな販売経路や集客媒体を活用して顧客に情報や商品を発信する戦略のことを言います。実店舗、ECサイト、通販、雑誌広告、SNSなど複数のチャネルを用意することで顧客との接点を増やし、企業や商品の認知度向上や販売機会の増加を目指します。
オムニコマースも複数のチャネルを活用するものの、それぞれのチャネルが「連携している」・「あらゆる接点を複合的に使う」という点がポイント。一方、マルチチャネルは個々で独立しており、事業者がターゲットに応じて販売チャネルを使い分ける、という点がオムニコマースとの大きな違いであると言えるでしょう。
ユーザーの購買行動は年々多様化しています。その点オムニコマースでは、実店舗やECサイトなど場所やツールを問わず買い物ができます。自分が好きなタイミング・都合のいい方法で商品の購入ができるのは消費者にとってメリットとなります。
オムニコマ―スでは、単純にユーザーとの接点を増やすだけでなく、消費者の購入のニーズに応え、利便性を高めることができます。それが結果的に利用客の増加、リピーターの獲得、売上増加といった企業の利益アップにつながると期待できます。
オムニコマースは何らかの形でインターネットを経由しています。そのため、あらゆるチャネルからターゲットの属性や位置情報、購入履歴といったデータを取得・蓄積することができ、今後のマーケティング施策に活用できます。
データを活用することで、顧客が自分に合ったサービスを受けやすくなったり、企業はターゲットにピンポイントに響く、販売に繋がりやすい情報を提供しやすくなったりと、お互いにメリットが生まれます。
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