「カクテルパーティー効果」とは、騒がしい状況や多くの人が雑談をしている中でも、自分に関係のあることや興味があるキーワードなどの声を自然と聞き取ることができる現象のことです。
人が多いカクテルパーティーでも自分の名前を呼ぶ声や会話を聞き分けられることからその名がつきました。ときに音声の選択的聴取や選択的注意とも呼ばれます。
人間は耳から非常に多くの情報を得ています。しかしながら、聞こえた音をすべて情報として認識すると、脳はその大量の情報を処理できなくなってしまいます。そのため、脳は耳から入ってきた情報に関して、自分にとって必要なのかどうかを判断して選び取り、優先的に処理しているのではないか(そのほかの情報は無視しているのではないか)と考えられています。
こうした脳の働きによって、騒がしい状況下でも、自分にとって必要な声を判断して聞き分けられるのです。
カクテルパーティー効果と似た意味を持つ「カラーバス効果」。このカラーバス効果は、ある一つのことを意識することで、それに関する情報だけが自然と“目に留まりやすくなる”心理効果のことを意味します。
つまり、カクテルパーティー効果が「聴覚からの情報選択」に対して、カラーバス効果は「視覚からの情報選択」を指し、どこから情報を得るかという点に違いがあると言えるでしょう。
カクテルパーティー効果を活用するためには、相手の名前や興味関心を持つことを伝える必要があります。つまり、聞き手に「自分に関係のある情報だ!」と思ってもらう必要があるのです。そのためには、ターゲットを明確にし、それに適した宣伝、アピールをしなくてはなりません。
例えば、「新社会人になられた皆様へ」「〇〇市にお住いの方限定!」「冬物が入荷しています」「セール中です」など、ターゲットを限定したり、相手が求めるものをアピールしたりすることで意識を向けることができるでしょう。
前述したことと似ていますが、カクテルパーティー効果を引き出すためにも相手に興味を持ってもらえそうな単語を使うのもポイントです。商品やサービスなど、宣伝したいものに関する単語を大きく表示するなどの工夫が必要です。例えば、働く方を対象にする場合、「キャリアアップ」「転職」「資格」など、そのターゲットとなる人たちが普段から意識していそうな言葉を使うことで、興味をひくことができるでしょう。
電話やメール、商談など、ビジネス上のコミュニケーションにおいて相手の名前を意識的に呼ぶことで、カクテルパーティー効果を引き出すことができます。名前を呼ぶことで相手は「自分に対して話されている」と感じ、会話の内容をより意識してもらえます。
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