潜在顧客とは?顕在顧客・見込み顧客との違いと手法も解説

潜在顧客とは?顕在顧客・見込み顧客との違いと手法も解説

マーケティングにおいて、潜在顧客へのアプローチは非常に重要です。彼らには商品やサービスの利用ニーズはあるものの、自社のサービスについては知らないという特徴があります。彼らへ適切なアプローチができれば、営業活動の効率化ができるだけではなく、利益の最大化も測れることでしょう。

本記事では、潜在顧客の概要とアプローチするメリット、アプローチするまでに分析手順ややってはいけないことについて解説します。類似している言葉との違いも解説しています。よく意味を知らないという方は、ぜひ参考にしてください。

潜在顧客とは

潜在顧客とは、すでに製品やサービスを利用するニーズはあるものの、自社の商品やサービスについては知らない見込み客のことです。適切なアプローチを行えば購買につながる可能性が非常に高い顧客でもあります。

ただし、潜在顧客の中には、顧客自身が悩みや課題に気づいていない場合もあります。潜在顧客にアプローチするには、通りイベントのやり方では受けないということを覚えておく必要があるでしょう。

顕在顧客との違い

よく似た言葉に、顕在顧客があります。悩みや課題を抱えているものの、製品やサービスの存在を知らない潜在顧客とは違い、すでにニーズもはっきりしていて製品・サービスも認識している見込み顧客のことです。

潜在顧客と比較すると、顕在顧客の方が購入までのモチベーションが高く、顧客の行動も比較検討の段階に入っています。これに対して潜在顧客はモチベーションはそれほど高くなく、顧客の行動もインターネットでの情報収集などがメインです。

顕在顧客にもアプローチは必要ですが、潜在顧客とはその方法が違う点に注意しておかなければなりません。

見込み顧客との違い

もう一つ似たような言葉に見込み顧客があります。見込み顧客とは、潜在顧客と顕在顧客を同時に指す言葉であり、これから顧客になるであろう層のことです。なお、見込み顧客には次の4つの段階があると言われています。

  • 関心を持つ
  • 興味関心を持つ
  • 製品やサービスを比較検討する
  • 購入予定

下へ行くほど顧客のモチベーションが高くなります。上の2つの状態が潜在顧客、下の2つが顕在顧客と覚えておきましょう。

潜在顧客にアプローチするメリット

潜在顧客にアプローチすることで得られるメリットはいくつかありますが、その中でも代表的なものは次の2つです。

  • 新しい顧客層を開拓できる
  • 長期的な関係性を築ける

それぞれどのようなメリットになるのか、深掘りして解説します。

新しい顧客層を開拓できる

潜在顧客へアプローチするときは、今まで顕在顧客へアプローチしていた方法とは別の方法でアプローチしていく必要があります。そのため、今までとは違った切り口で商品やサービスをPRする必要があり、その結果今までとは違った顧客層が顧客になってくれる可能性があるのです。

また、顕在顧客よりも潜在顧客の方が母数が多いため、新規顧客獲得の可能性が高いのも潜在顧客にアプローチするメリットです。潜在顧客の中には自分自身が抱えている課題やニーズに気づいていない場合も多いため、適切なアプローチを行えば顧客になってくれる可能性が高い層と言えます。

長期的な関係性を築ける

潜在顧客へのアプローチは、顕在顧客と比較して長くなりがちですが、その分長期間にわたって関係性を築けるチャンスが生まれます。長期的な関係性を築けると、同業他社への流出をある程度防ぐことができるほか、企業が配信する有益な情報をもとにリピーターの獲得が期待できる可能性が高まります。

さらに、顕在顧客以上に丁寧な対応が求められる潜在顧客へのアプローチは、結果としてロイヤルカスタマーを生む要因ともなるでしょう。ロイヤルカスタマーとは信頼関係が高まっている顧客のことで、新しい商品やサービスの購入や他の商品との抱き合わせ購入も可能になります。

このように潜在顧客には、多くの可能性が秘められています。アプローチに手前は時間がかかるのは仕方がありませんが、うまくアプローチすれば様々なメリットを享受できるでしょう。

潜在顧客にアプローチするまでの手順

潜在顧客にアプローチするには、一定の手順を踏まなければなりません。闇雲に営業をかけてもうまくいく可能性は低く、手順を踏んだ上で潜在顧客から建材顧客へ転換させるアプローチをする必要があります。

どのような手順で行っていくのか、それぞれ具体的に解説します。

1. 既存顧客をSTP分析してペルソナを設定する

潜在顧客を見つけるためには、既存顧客をSTP分析してどのような人物や企業が自社の製品やサービスを求めているのかを知るところから始めます。潜在顧客は自分自身でも20認識できていない側面があるため、企業側が見つける必要があるのです。

STP分析とは、以下の3つの工程の頭文字を取ったものです。

  • セグメンテーション(Segmentation):市場を細分化する
  • ターゲティング(Targeting):どの市場を狙うのか定める
  • ポジショニング(Positioning):市場内での立ち位置を決める

ポジショニングでは、特に目新しい位置に自社を設定する必要はありません。立ち位置を明確にするためには、市場内のどの位置に立っているのがベストなのかを検討するために行う分析であり、潜在顧客をこちらから見つけるための重要なものと言えます。

この調査によって、潜在顧客を定義づけることができるでしょう。

2. 潜在顧客を調査する

潜在顧客がある程度定まったら、次は潜在顧客の発掘を行います。ターゲットとなる層によって適切な方法は様々で、場合によっては多くの施策を同時に実施する必要もあるでしょう。

具体的な潜在顧客の発掘については「潜在顧客を獲得する具体的な方法」で解説しています。

3. 発掘した潜在顧客へのアプローチ方法を考える

セミナーや展示会などで発掘した潜在顧客に対し、顕在顧客へとステップアップしていくためのアプローチを実施していきます。オウンドメディアを訪問したユーザーであれば、彼らの閲覧履歴を分析し興味のありそうなコンテンツや内容を洗い出して適切なアプローチを実施するのが効果的です。

適切なアプローチができていれば、潜在顧客が自ら必要な情報を入力して会員登録などをするリードジェネレーションが実現できます。これをアンノウンマーケティングといい、潜在顧客から顕在顧客へとステップアップする一つの事例と言えます。

ただしこの段階ではまだ潜在顧客であり、登録しただけで顕在顧客になるわけではありません。次のステップとして、別の施策を打つ必要があります。

4. 顕在顧客へ転換させるアプローチする方法を考える

本格的に潜在顧客を顕在顧客に転換させるためには、ホワイトペーパーやイベント、セミナーなどに招待して顧客情報を登録してもらうことが重要です。より密度の高い情報を与え続けることで、潜在顧客から顕在顧客に転換できるようアプローチするのです。

ホワイトペーパーやセミナー以外にも、メールマーケティングなどで定期的に情報を与えるのも有効な施策と言われています。自社の商品やサービスに適した方法で、建材顧客への転換が図れるようにアプローチしていきましょう。

5. 見込み顧客へフォローアップを行う

潜在顧客と潜在顧客の両方を含めた見込み顧客に対しては、適切なフォローアップをしなければなりません。MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して、マーケティング制作を自動化することもできます。効率的にフォローアップを行うためには、MAツールを導入してフォローアップを行うことも選択に含めて検討してください。

潜在顧客を獲得する具体的な方法

潜在顧客を獲得する具体的な方法として、次のような方法があります。

  • オウンドメディア
  • SNS
  • 展示会・セミナー
  • Web広告
  • テレマーケティング
  • プレスリリース

それぞれの特徴や収集できる潜在顧客の情報が違います。どのように異なるのか詳しく見ていきましょう。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、企業自身で顧客にとって有益な情報を発信するためのメディアです。自社で発信できる情報をコントロールできるため、狙っているターゲットに合わせて内容を変更することができます。

一方でサイト制作の費用がかかる点と、SEO対策を施して検索上位になるようにしなければならない点に注意が必要です。特に多くの人にオウンドメディアを見てもらうためには、検索エンジンによる検索結果で上位を取らなければなりません。内容も品質もきちんと担保されたコンテンツ作成を心がけましょう。

SNS

SNSの運用も、潜在顧客の発掘には大きな効果をもたらします。一口にSNSと言っても様々なものがあり、特徴も異なるため、自社が狙っているターゲットが多いSNSで情報を発信を行うのがベストです。以下は代表的なSNSのメインとなるユーザーの年齢層と、情報提供の方法についてまとめた一覧です。

SNS名 利用者のメイン年齢層 情報提供の方法
Instagram 10~30代の女性 画像・動画・文章
Twitter 概ね40代前後の男女 文章・画像
Facebook 40代以上の経営者 文章・画像・動画
YouTube 全世代に浸透 動画
TikTok 10~20代 動画(短編)

あくまでも目安ですが、SNSによって利用者の幅が大きく異なるのが特徴です。これらの情報を活かして、自社にとっての潜在顧客はどこにいるのかを把握して施策を打つようにしましょう。

注意点としてはコンテンツ作成に時間がかかる点と、炎上のリスクがつきまとう点です。特に炎上については、一度炎上すると企業ブランディングにも悪影響を及ぼしかねません。担当者のリテラシーも強く関係するため、運用する際には最新の注意を払うようにしましょう。

展示会・セミナー

展示会やセミナーといった、実際に商品やサービスを目の前で見てもらったり、担当者とコミュニケーションを取ってもらったりするのも潜在顧客を獲得するために有効な施策です。名刺交換も可能なため、特にBtoBビジネスをしている企業にとっては潜在顧客の発掘に大きく貢献するでしょう。

注意点としては、出店コストや人件費がかかってしまう点です。それに見合った効果が出るかどうかは展示する内容やセミナー次第なところもあるため、きっちりと費用対効果を考えた上で開催することをおすすめします。

Web広告

Web広告とは、その名の通りWeb上に広告を打ち出して顧客にアプローチする方法です。潜在顧客へのアプローチで最も有効とされているのはリスティング広告とターゲティング広告で、どちらも比較的簡単に始められるという特徴があります。

一方で、Web広告を出稿するにはある程度の知識と経験が必要であり、ただ出しただけで効果が得られるというわけではありません。また、広告単価と呼ばれる掲載費用もそれなりの金額が必要になるため、費用対効果をよく見ながらWeb広告を出すようにしましょう。

テレマーケティング

テレマーケティングとは、電話を使って顧客と直接コミュニケーションをとって営業する方法です。新規の顧客だけではなく既存顧客にも活用できる方法で、一方通行で情報を持って帰ってもらう展示会やセミナーなどと異なり、顧客が抱えている悩みやニーズをヒアリングできるのが特徴です。

顧客の生の声に耳を傾けられるものの、一方で電話をするまでに顧客と連絡を取ってポイントを取らなければならないデメリットがあります。時間と手間がややかかるため、実行するかどうかは社内のリソースを見て検討するのをおすすめします。

プレスリリース

プレスリリースとは、報道機関に向けて社内の特筆すべきニュースや新商品のリリース情報を提供し、各メディアに取り上げてもらうためのものを指します。新聞社やテレビ局に直接送ることもできますが、現在ではWeb上で簡単にアップロードできるものもあります。

多くのメディアに取り上げてもらえる可能性があり、費用対効果も比較的高いプレスリリースですが、必ずメディアが取り上げてくれるとは限りません。また、取り上げられたメディアの規模が小さかった場合、期待していたほどの効果が見込めないというケースもあります。

潜在顧客にやってはいけないアプローチ

ここまで潜在顧客に進めるべきアプローチ方法を紹介してきましたが、一方でやってはいけないアプローチがあることも覚えておかなければなりません。もし誤ったアプローチ方法を続けているのであれば、すぐに改善するように努めましょう。

興味関心を無視したアプローチ

全ての顧客に同じようなアプローチ方法をしていては、せっかくの潜在顧客を取りこぼす結果になりかねません。顧客にアプローチする際は、それぞれの顧客の興味関心に応じた内容を取り上げるようにし、パーソナライズ化されたアプローチが必要です。

手間はかかりますが、相手の関心がないトピックばかりあげつらっていても、それ以上の進展は望めません。顧客が何に対して興味を持っているのか、どのようなトピックを取り上げれば顧客の興味関心をより-ことができるのかを検討する必要があるでしょう。

反応のない訴求を繰り返すアプローチ

反応がないと分かっているのに同じアプローチを繰り返すのもやってはいけない方法です。反応がないということはその話題に対して興味がないという裏返しであり、別の角度からアプローチをする必要があるでしょう。

どちらにも共通しているのは、目の前の顧客を無視したアプローチをしてはいけないという点です。一人一人に適切なアプローチがあるため、それは何なのかを検討しなければなりませんが、効果を出すためには惜しんではいけない手間と言えるでしょう。

まとめ

潜在顧客にうまくアプローチできれば、顧客へと変化したりロイヤルカスタマーになってくれたりと様々なメリットがあるのは事実です。一方で、アプローチ方法を間違ってしまうと、せっかくの潜在顧客が離れていってしまう結果になりかねません。顧客の興味関心に応じたアプローチを実施して、自社にとって欠かせない顧客に育てることが重要です。

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この記事の監修者

株式会社ブランディングワークス編集部

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