「原価率」とは、売上高における原価の割合を示す数字です。つまり、売上に対してどのくらいのコストがかかっているかを表します。
販売する側にとっては、原価率が高ければたとえ多くの売上を上げたとしても、得られる利益が少なくなります。
原価率は以下の式で求めることができます。
【原価率(%)= 売上原価(製造原価・仕入原価)÷ 売上高 ✕100】
売上から経費を引いたものが利益となるため、原価率が高いほど結果として得られる利益が少なくなります。逆に言えば、売上が同じ状態で原価率が低ければ、利益は多くなるということです。つまり、利益を増やすには「原価率を低く抑える」ことが重要です。
原価率を把握し、適切に設定することは、利益の確保や健全な経営のためにも重要です。そもそも、企業の利益の大元となるのは売上高。その売上高から原価を差し引いたものが売上総利益となり、あらゆる固定費はここから支払います。
一定の売上総利益が出なければ赤字になる可能性もあります。必要な売上総利益を確保するためは、売上高と売上原価のバランスを把握することが欠かせません。このバランスこそが原価率です。原価率を意識して適切に管理することが、商品やサービスのクオリティ維持・利益の確保につながります。
在庫管理ができておらず過剰な仕入れを行っていると、いつまでも商品が放置されて商品価値が下がったり、無駄な在庫を抱えてロスになったりと、結果的に利益率が低くなります。定期的に売上データを元に必要最低限数の材料や商品を仕入れるようにする、毎月末棚卸しをして在庫数を把握するなど、在庫管理をしっかり行いましょう。
仕入れを安くできればそれだけ原価率を抑えられます。そのため、仕入先を集約して単価を下げてもらう、安く仕入れられる仕入れ先を探す、または仕入れ値を安くしてもらうよう交渉することも有効な方法です。
原材料価格が値上げされたにも関わらず販売価格をそのままにしておけば、もちろん原価率が高くなってしまいます。顧客目線かつ市場価格とかけ離れすぎない範囲で販売価格を見直すことも重要です。
販売するすべての商品の原価率が同じ、というケースはほとんどなく、販売する商品の原価率は商品ごとに異なるものです。その場合、原価率の高い商品よりも原価率の低い商品を販売したほうが利益につながるため、店内ポップや販促を行い、原価率の低い商品の購入数を促しましょう。
また、原価率が高いよく売れる商品と、原価率が低いあまり売れない商品をセットで販売するのもひとつの方法です。
ロスを出さない、製造業なら不良品を出さないようにすることが重要です。そのためにも、古いものから販売できる仕組みになっているか、保管場所は適切か、といった在庫管理を徹底しなければなりません。
また、人為的なミスによってもロスは発生します。ミスが起こらないようにマニュアルの整備、業務フローの改善などを考える必要も出てきます。
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