近年利用者が大幅に増加しているSNS上に広告を出すことで、大きな広告効果が見込めると思っている人もいるでしょう。確かにその考え方自体は間違っていませんが、ただ単にSNS広告を運用するだけでは意味がありません。
自社の商品・サービスにマッチするSNS広告を選定しなければ、狙った効果を得ることは難しいかもしれません。そのためにはSNS広告の種類や出し方を学んでおく必要があります。
本記事ではSNS広告の特徴と種類、費用対効果を高める方法や活用事例について解説します。
SNS広告とは、インターネット広告の一種で、SNSプラットフォームを活用してターゲットにリーチする広告のことです。商品の認知拡大やファン獲得、SNS特有の拡散を目的として活用されており、他のWeb広告ではリーチできないユーザーに広告を見てもらえるのが大きな特徴です。
よくリスティング広告と比較されることがありますが、そもそもターゲットが違うという点から異なります。SNS広告では、まだその商品やサービスの存在を知らない、いわゆる潜在層にリーチするのが目的です。顕在層をターゲットにする場合はリスティング広告の方が効果が見込めるかもしれません。
SNS広告には、他のWeb広告とは異なる次のような特徴・強みがあります。
それぞれの特徴を理解することで、なぜSNS広告が潜在顧客獲得に向いているのかが理解できるでしょう。
SNS広告の最大の特徴として、高い精度でターゲティングできるというものがあります。SNSには年齢や性別などの個人情報を事前に登録する制度があり、これによって細かなターゲティングが可能となっています。
また、ユーザーの行動によるターゲティングも可能です。フォローやシェアなどの分かりやすい行動以外にも、興味を持った投稿やニュースについての情報が集まっているため、高い精度でターゲティングできるのです。
SNS広告は、すでに商品やサービスを認知している顕在層だけではなく、まだそれらを認知していない潜在層へも情報を届けることができるメリットがあります。Web広告のように特定の悩みに気がついている人だけにしかリーチできないわけではなく、多くの人に商品やサービスをPRできるのです。
他にも、自社商品と競合商品の比較をユーザーにしてもらえるなどの活用方法もできます。あらゆる人が集まるSNSだからこそできるリーチ方法です。
SNS上に表示される広告は、インフィード広告と呼ばれるものが主流です。他のWeb広告と異なり明らかに広告という感じがなく、タイムライン上に自然に表示されるのが特徴です。
インフィード広告は一般的なWeb広告よりもユーザーに読んでもらいやすい傾向にあります。違和感を覚えずに広告が受け入れられている証拠と言えるでしょう。
詳しくは「SNS広告にかかる費用と課金方法の種類」で解説しますが、他のWeb広告と比較すると比較的少額の予算で運用できるのがメリットです。課金方式にもよるため一概には言えませんが、費用面で手軽に始められるというメリットは大きいでしょう。
名前が知られていない商品やニッチなサービスでも、多くの人にその存在を知ってもらえるのがSNS広告の強みです。Web広告で効果を出すには、ある程度の検索ボリュームがなければ難しいと言われています。しかしSNS広告はそれらが関係ないため、新商品やニッチなサービスでも広告を配信して顧客獲得に繋がる可能性があるのです。
SNS広告は、リスティング広告を始めとするWeb広告より、少資本で始められるというメリットがあります。SNSによって採用されている課金方式は異なりますが、顧客が一定のアクションを起こすと課金される仕組み自体は同じです。
本章では、6つの課金方式とその概要について解説します。
インプレッション広告は、SNS上に1,000回表示されるたびに課金される課金方式です。CPMとも呼ばれており、相場は400~650円/1,000lmpとなっています。対象のSNSは以下の5つです。
SNS広告でもっともスタンダードな課金方式がクリック課金(CPC)です。1クリック24~200円となっており、計算が簡単な反面、インプレッション課金よりも高額になりがちです。対象のSNS広告は以下の通りです。
エンゲージメント課金(CPE)とは、広告に対して得られた「いいね」「リツイート」が発生するごとに課金されます。クリック課金よりも少し高めですが、40~100円/エンゲージメントです。利用できるのはTwitterのみとなっています。
SNS広告経由でアプリがインストールされて発生する広告費がCPIと呼ばれる課金方式です。Instagram広告とTwitter広告に適用されており、単価はインストール1回あたり100~250円です。
動画広告の再生時間で課金されるのがCPVです。再生時間によりますが、単価は回数で出されており、相場は5~20円/再生数となっています。対象のSNSは以下の3つです。
広告を理由としてフォローされた場合に発生する課金方式がフォロー課金です。Twitter広告のみで選択できる方式で、40~100円/フォローが一般的な費用です。
SNS広告の種類と特徴を一覧表にまとめました。
Facebook広告 | Instagram広告 | Twitter広告 | LINE広告 | YouTube広告 | Tiktok広告 | |
特徴 | 実名登録制 | ビジュアル訴求力が強い | 拡散性が抜群 | ユーザーのみにリーチ可能 | コンテンツの合間に視聴されやすい | 短編動画で視聴しやすい |
メインユーザー層 | ビジネスパーソンがメイン | 40代前後の男女 | ほぼ全年齢 | 全年齢 | 全年齢 | 24歳以下の若年層 |
ターゲティング精度 | 高 | 高 | 中 | 高 | 中 | 低 |
拡散性 | 低 | 低 | 高 | 低 | 低 | 高 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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それぞれメインユーザーとなる層や特徴が異なっており、広告の出向先を検討するうえで明確な使い分けができるのは大きなメリットです。広告の出稿手順などもSNSごとに大きく異なるため、次章以降で確認するようにしてください。
特徴 | 実名登録制 |
メインユーザー層 | ビジネスパーソンがメイン |
ターゲティング精度 | 高 |
拡散性 | 低 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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Facebook広告は、アメリカのMeta社が提供しているSNSプラットフォームで掲載できる広告です。Facebookの最大の特徴は実名制である点です。氏名や学歴、キャリアなどの細かな個人情報が明確になっているため、信憑性が高いターゲティングが可能となっています。
一時は幅広い年齢層で活用されていましたが、最近ではビジネスパーソンがビジネス目的で活用している傾向にあります。そのため、広告に適している商品やサービスもBtoBが非常に多く、基本単価が高めな商品がほとんどです。
Facebook広告は、フォーマットだけでも以下の5種類があります。
表示される種類は非常に豊富で、他のSNS以上にさまざまな訴求方法が実践できるのが特徴です。一般的な投稿と同じようにタイムラインに表示させるフィードや、短編動画を掲載するストーリーズなど、自社の商品やサービスに応じて使い分けるのもいいでしょう。
Facebook広告で選択できる課金方式は以下の通りです。
最低100円から出稿が可能ですが、Facebook広告の運用代行業者の最低出稿価格は5万円/月前後です。あらかじめ予算や掲載期間が決まっている場合は、1日単位もしくは掲載期間内の上限予算を広告主側で設定できます。
低予算で出稿できるのがメリットですが、あまりにも少ないと掲載順位が低くなってしまい、思った通りの成果を上げられない可能性があります。ある程度の予算を作っておくようにしましょう。
Facebook広告の出稿方法は、以下の5つのステップです。
広告配信後は、広告マネージャーで反応率などをチェックすることができます。効果測定と管理を行い、改善ポイントがあれば改善するようにしていきましょう。
Facebook広告は、SNSの特性上精度が高いターゲティングができるため、商品やサービスに合わせた的確なターゲティングをする必要があります。例えば、特定の学歴やキャリアを持つ人物を対象にしたい場合、特定の大学だけを対象にしたようなキャッチフレーズをつけた広告を配信することで、特定のユーザーに刺さる広告が配信可能です。
他にも、顧客リストを持っていると有効活用できる「カスタムオーディエンス」と呼ばれるターゲティング方法もあります。商品やサービスのターゲットをどこに置くのか、しっかりと検討しておきましょう。
特徴 | ビジュアル訴求力が強い |
メインユーザー層 | 40代前後の男女 |
ターゲティング精度 | 高 |
拡散性 | 低 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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Instagram広告は、スマートフォンの全画面でインパクトのある広告を表示できるのが特徴です。Facebookと同じくMeta社が提供しているSNSプラットフォームですが、こちらはBtoC向けの傾向が強く、使い分けができます。
画像や動画メインであるため、ユーザーは女性は多そうなイメージがありますが、最近は男性ユーザーも増加傾向にあるようです。注意点としては、商品やサービスのジャンルによって相性の良し悪しがはっきりと分かれる傾向にあるため、ターゲティング方法を慎重に検討しなければなりません。
Instagram広告は、次の4つの種類があります。
Facebookと同じく豊富な広告のフォーマットがあるのが特徴です。Instagram広告特有の性質として、広告っぽい印象をユーザーに与えないシームレスな広告配信に優れている点が挙げられます。
Instagram広告の課金方式は、以下の4つです。
上記の方法の他に、Instagramと呼ばれるインフルエンサーに費用を払って広告を拡散してもらう方法があります。1フォロワーあたり2~6円程度が目安となっていますが、上記の広告と組み合わせて費用が必要になるため、慎重な予算立てが必要です。
最低出稿価格はFacebookと同じく100円で、広告運用会社の平均値は約5万円/月です。集中的に広告を投下したい場合は、1ヶ月あたり10万円以上の予算を用意するといいでしょう。
Instagram広告の出稿方法は、Facebookとほぼ同様でビジネスマネージャーを使用して出稿します。Instagramのアカウントだけでは完結しない点に注意が必要です。広告を出すまでの流れは以下の通りです。
インスタグラム広告は、直接購買や契約につなげるというよりも、認知拡大を目的として活用するのに適しています。
特に複数の画像にリンクを設置するカルーセル広告は、コンバージョン獲得を目的とする広告に適しているのです。目的に応じた配信画面を選択してください。
特徴 | 拡散性が抜群 |
メインユーザー層 | ほぼ全年齢 |
ターゲティング精度 | 中 |
拡散性 | 高 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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Twitter広告は、幅広い年代のユーザーにリーチできるのが特徴のSNS広告です。最大の特徴は二次拡散を見込めることで、自社が出稿した以上の効果をもたらす可能性があります。
Twitter広告は、商品やサービスのペルソナが明確になっている場合に適しています。設定しているペルソナのライフスタイルや趣味趣向を具体的にイメージできるのであれば、Twitter広告を出稿する価値はあるでしょう。
Twitterが用意している主な広告フォーマットは、他のSNSと少し異なっているのが特徴です。
基本的にTwitterは140文字以内の短文でコミュニケーションを図るSNSです。そのため各報告にはテキストが必要になります。
Twitter広告の課金方式は、他のSNS広告よりも多い6つとなっています。
Twitter広告は月数千円から出稿可能ですが、運用代行企業の目安は10万円前後です。Facebook広告やInstagram広告よりもやや高めになっており、事業規模やKGIによってはさらに高額な予算の準備をする必要があるでしょう。
Twitter広告の出稿方法は簡単で、次の手順で広告を出すことができます。
ポイントは事前に広告に掲載する画像などを含むツイートを投稿しなければならない点です。Facebook広告などのように管理画面がないため、一度作成した投稿から広告設定をしなければなりません。しかし、それほど手間がかかる作業ではないため、出稿を躊躇うほどの要素ではないでしょう。
Twitter広告はターゲット設定が豊富にできるため、それらをフル活用してターゲティングをしましょう。ユーザー属性に基づいたターゲティングもできますが、キーワードを用いたターゲティングも有効です。
Twitterは商品やサービスを購入する際の決め手のひとつとなる口コミが集まっているSNSです。商品やサービスのターゲットを明確にしておく必要はあるものの、特定のキーワードにヒットするユーザーに広告を表示できるのはTwitter広告ならではのポイントと言えます。
特徴 | ユーザーのみにリーチ可能 |
メインユーザー層 | 全年齢 |
ターゲティング精度 | 高 |
拡散性 | 低 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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コミュニケーションツールとして国内最大のアクティブユーザー数を誇るLINEもSNSのひとつです。ユーザーの年齢層が非常に広いのが特徴ですが、他のSNSと比較しても年齢が高い60~80代までリーチできるのも強みとされています。
LINE広告は、全国展開をしている企業というよりは、地域に密着して営業している美容室や飲食店などの個人事業・小規模ビジネスに向いています。地域性の高い商品やサービスがあればぜひ掲載してみるといいでしょう。
LINE広告は呼び名は独特ですが、内容は静止画を中心とした画像広告です。
狙う年齢層によっては、小さな画像や動画はヒットしない可能性があります。また広告の配信できる場所が多いため、どの部分に掲載したら効果が出るのかという分析も必要です。
LINE広告の課金方式は、次の3つとなっています。
友だち追加課金はLINE広告特有の課金方式です。その名の通り、友達が1件追加されるごとに100~400円の広告費が発生します。
LINE広告の最低出稿費は1日100円からとなっていますが、予算の目安は月10~30万円とやや高めです。広告表示のためのオークションがあり、それ相応の金額が出せなければ広告が掲載できません。1日100円で掲載しようと思うと、難易度としては難しいことを覚えておきましょう。
LINE広告を出すまでの流れは以下の5つのステップを踏む必要があります。
審査には概ね1週間ほどかかり、通過したもののみが配信される仕組みです。審査が厳しいことで有名ですが、その分通過すれば信頼度が高い広告として評価され、大きな効果が見込めるでしょう。
ポイントは広告グループを作成する際に設定を細かくしすぎないことです。細かく設定することでターゲティング精度そのものは上がるものの、対象範囲が狭まってしまうため、効果が得られなくなってしまう可能性があります。戦略にもよりますが、あまり限定しすぎないようにしましょう。
特徴 | コンテンツの合間に視聴されやすい |
メインユーザー層 | 全年齢 |
ターゲティング精度 | 中 |
拡散性 | 低 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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YouTube広告は、動画コンテンツの前や合間に流される広告のことで、年齢や性別を問わず多くの人に見てもらえる広告です。広告配信面が多いため、認知獲得だけではなくコンバージョン獲得まで見込めるのがYouTube広告の魅力と言えるでしょう。
YouTubeに限った話しではありませんが、今後動画広告の需要は拡大することが予想されています。特にアクティブユーザー数が多いYouTubeで広告を流すのは大きな成果を生む可能性があるため、前向きに検討していく価値があるでしょう。
YouTube広告は、静止画か動画のいずれかの選択式ですが、広告の配信面にいくつかの種類が設けられています。
インストリーム広告は、開始5秒でスキップできるものとそうでないものの2種類があります。
YouTube広告の課金タイミングは、次の3通りです。
どの配信面を選択するかによって費用は変わりますが、初めての場合であれば1ヶ月で10~30万円が広告出稿費の目安になるでしょう。企業規模が大きい、広告の目的などの理由次第では、1ヶ月100万円以上の予算を組む場合もあり、本当にさまざまです。
YouTube広告を掲載するまでに、以下の5ステップを踏む必要があります。
出航前に動画や画像を作成しておく必要があります。動画形式で広告を出す場合は、6~60秒の間で作成するようにしておきましょう。
YouTube広告を作成する場合は、最初の5秒でいかに関心を捉えるかが鍵になります。インストリーム広告の場合、開始5秒でユーザーの任意で広告がスキップできるようになるためです。
そのため、訴求ポイントを絞り込んで掲載しなければならないでしょう。動画を作成する際の最初の5秒に力を入れるようにしてください。
特徴 | 短編動画で視聴しやすい |
メインユーザー層 | 24歳以下の若年層 |
ターゲティング精度 | 低 |
拡散性 | 高 |
広告の種類 |
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課金方式 |
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TikTok広告は、YouTubeよりも大きく表示される動画をアプリを起動した直後から表示できる点で優れています。1日の利用時間が長い、消費行動が比較的早いとされる24歳以下の若者がメインユーザーであるなどの点から、訴求力・影響力ともに抜群に高い広告です。
基本的には若年層向けの商材に高い効果を発揮します。広告に話題性が生まれれば、いわゆるバズるという状況になり、プラットフォームを超えて多くの年代の人に拡散される可能性もあるでしょう。
Tiktok広告もYouTubeと同じく画像と動画の2種類の広告になります。配信面は3パターンしかなく、次の通りです。
チャレンジ広告とは、ハッシュタグを活用してタイアップする広告のことで、話題性の高いハッシュタグがついていればその影響力は計り知れないものがあります。基本的には全画面で表示されるため、どの広告もインパクトのある仕上がりになるでしょう。
TikTok広告の課金方式は、以下の4通りが採用されています。
特有の課金方式に期間契約型があります。その名の通り一定の期間で契約を結び、広告を表示させる出稿方法です。期間にもよりますが100~1,000万円程度と非常に高額で、全SNS広告の中でも広告費用が高い傾向にあります。
最も利用されることが多いインフィード広告でも、目安は50万円程度と高額です。TikTok広告を掲載したいと考えている場合は、予算との兼ね合いも重要です。
TikTok広告は、次の流れで出稿します。
他のSNS広告とは異なり、広告を出すまでに審査を2回しなければならない点がポイントです。ただしtiktokアカウントがなくても広告アカウントを開設すれば広告の出稿ができるという点は、他のSNS広告より手軽に移行できるポイントと考えていいでしょう。
YouTubeと違い、TikTok広告は縦型でスマートフォンのみの視聴が可能なSNSです。広告作成の際はYouTubeと同じ要領で作らないように注意しましょう。
またYouTube以上に冒頭の数秒のインパクトが重要です。若年層がユーザーの多くを占めるため、興味があるかないかは一瞬で判断されます。冒頭1~2秒にインパクトを持たせるように意識して広告を作成しましょう。
一口にSNS広告と言ってもさまざまな種類があり、狙うターゲットや成果に結びつけたい商材によって活用したい広告の種類は異なります。広告に予算が割ければ、さまざまな方法を実践することはできますが、なかなか現実的な話ではないでしょう。
広告費を極力抑えるためには、費用対効果を重視するようにしてください。SNS広告の費用対効果を高めるためには、次の方法が考えられます。
当たり前のことかもしれませんが、SNS広告は出稿して終わりではありません。公開した後の数値の動きや実際の成果を確認し、試行錯誤を重ねていくことでよりコンバージョン獲得につながっていくことでしょう。
それ以外の要素も合わせて解説します。
近年のSNSユーザーの傾向として、静止画や文章の広告ではなく動画しか見ないというユーザーが増えている傾向にあります。もちろんその逆もいるため、広告を出す際は画像と動画の両方で出向すると成果が出る可能性が高くなるでしょう。
動画広告は制作する側のハードルが高いというデメリットがあります。しかし静止画以上に内容が伝わりやすい点、インパクトがあり印象に残りやすい点、情報量が静止画広告よりも増える点からうまく活用したい広告であるのも事実です。
自社で制作できない場合は制作会社への外注も視野に入れて、ぜひ作成することをおすすめします。
SNS広告に限った話ではありませんが、広告を出す以上、ターゲティングは適切に行わなければなりません。どの媒体で掲載するかもそうですが、ターゲットによって有効な広告の出稿方法が変わってくるため、慎重になるべきでしょう。
一方で、ターゲットを絞り込みすぎてしまうと、逆に反応が得られない可能性もあります。ターゲティングの精度についてはSNSごとに異なるため、どこに自社の商品を購入して欲しいユーザーがいるかを明確にして活用してください。
PDCAサイクルとは、施策の効果が出ているかなどを検証するためのフレームワークです。SNS広告を運用する場合も、PDCAサイクルによる見直しや改善が高い効果を発揮します。
SNS広告の出稿前には、顧客獲得単価やクリック率などのKGIにつなげるためのKPIを設定することでしょう。そのKPIを達成できているのか、できていないとすればどこが問題なのかを改善しなければ、広告の効果を最大化することはできません。
代表的な指標 | 意味 |
KGI | 最終的な数値のゴール |
KPI | KGI達成のための中間指標 |
CPA | 広告費/コンバージョン数で算出する顧客獲得単価 |
ROAS | 広告経由の売上/広告費×100で算出する広告費に対する売上率 |
そのためには、広告出稿先のSNSが定めている指標の定義や計測方法を理解しておく必要があります。PDCAサイクルを回す上でこれらの指標は重要なポイントとなるため、分析できる環境を自社に整えておくことも重要です。
高い効果が期待できるSNS広告ですが、運用する際には次の2点に注意してください。
SNSによって他にも細々と気をつけるべきポイントはあります。以下で紹介する内容は、全てのSNS広告に共通しているポイントです。それぞれ何が問題になるのか、どのように回避するのかについて解説します。
SNS広告のコンバージョン計測は、プラットフォームによって測定方法が異なります。コンバージョン計測でおなじみのGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールとは異なった数値が出てくる場合も珍しくなく、どのように効果測定を行っていくのかを理解しておかなければなりません。
Facebook広告の場合は、デフォルト設定のまま公開すると、広告を閲覧しただけでクリックしなかったユーザーもカウントされてしまう「ビュースルーコンバージョン」が含まれてしまいます。管理画面から除外設定を行うなどして、どのような仕様が欲しいのかを細かく洗い出して効果測定を行うことが重要です。
特にTwitterで発生する事態として炎上と呼ばれるものがあります。何かしらのセンシティブな話題を取り上げたり、不適切と判断されるような表現が含まれていたりすると、悪い意味で広告や会社の情報が出回ってしまいマイナスのブランディングになってしまうのです。
炎上リスクを完全に回避することは難しいのが実際のところですが、ひとつの対処策として消費者目線で広告を作成・運用していく必要があることを忘れてはいけません。特に性差別や宗教問題、人種や話題のスキャンダルに関する内容は避けるべきです。
それでも、広告は受け取り手によって炎上してしまう可能性があります。炎上リスクをゼロにすることは不可能かもしれませんが、極力発信してはいけない内容に触れないようにしましょう。
SNS広告を活用して大きな成果を上げた事例を3つ紹介します。Facebook、LINE、Twitterの3つですが、どのような工夫をして成功に導いたのかを参考にしてください。
Facebook広告で成果を上げた企業に、新潟県の浅野金属工業株式会社があります。ステンレス製品を取得した製造業で、漁業関係者が使う漁具のシェアは国内でトップを誇ります。
浅野金属工業はFacebook広告を活用して海外展開を開始。主に北欧や北米の関係者をターゲットとして絞り込み、各地の展示会の前後に合わせて広告を配信しました。
その結果新規顧客から連絡をもらったり、直接取引が始まった顧客が出てきました。現在は新規の顧客は100%インターネット広告で獲得できるようになり、大成功を収めた事例として注目されています。
熊本県内に4店舗を展開するラーメン店である、熊本ラーメン黒亭は、店舗とECショップそれぞれにLINE公式アカウントを開設して集客に成功しました。
それぞれ別々に分けて運用することで、ECサイト側ではセール情報を、店舗アカウント側では店舗のメニューとお得情報を配信。元々あったECサイトのLINEの友達数は、広告出稿から1年以内に7倍以上に増加し、こちらも大成功を収めた事例となっています。
広告出稿数が月4から5回とそれほど多くなく、かかった費用も月間で2~3万円程度です。無理のない配信頻度と、登録者の特性を分けた広告配信で大きな成果を生み出した事例です。
虫ケア用品の業界トップシェアを誇るアース製薬も、Twitter広告を活用して成功を収めた企業のひとつです。
きっかけは2017年の夏頃に問題となったヒアリの大量発生で、多くのユーザーがヒアリに関する投稿をしていることからアース製薬も自社の持つ知識や製品で顧客の役に立ちたいと考えアカウントを開設した経緯があります。
ポイントは広告的なツイートを一切していない点です。あくまでもユーザーのためになる情報発信を心がけたという側面があります。それと同時に、反応の良かったツイートを分析し、PDCAサイクルを回して次の投稿に活用したという経緯もあるようです。
またエイプリルフールにはジョーク商品に関する投稿を投げかけるなど、常にユーザー目線で広告っぽさを出していない点がヒット。日によっては1日に1,000人以上のフォロワーが増えており、ファンの拡大に一役買った事例と言えます。
かつては共通の趣味や感性を持った人たちとつながるためのコミュニケーションツールという位置づけであったSNSですが、現在は社会生活に欠かせないインフラとして重宝されるようになりました。その社会インフラ上に広告を出すことは、顧客に対しての認知拡大や売上向上に大きく貢献することでしょう。
一定の費用がかかるものの、ターゲティングと訴求方法がきちんとできていれば、高い費用対効果を維持したまま大きな成果に結びつく可能性もあります。広告クリエイティブの作成にかかるコストや炎上のリスクはあるものの、今後の企業の広告宣伝方法において欠かせない施策となるでしょう。
株式会社ブランディングワークスでは、SNS広告以外にもSEOコンテンツによる認知拡大や集客促進のサポートをしています。契約期間の縛りは一切なしで、カスタムプランで費用を最適化できるのが弊社の強みです。SNS広告だけではなく検索エンジン上でも認知を拡大させたいと考えている企業の担当者様は、ぜひ一度お問い合わせください。
SEO支援は1業界あたり1社までの先着順となります為、お断りさせていただく場合もございます。ご了承ください。
Web業界10年以上の知見を持って、無料にてご相談へ対応いたします。
情報収集目的でも歓迎です。お気軽にご連絡ください。