近年WEBマーケティングとしてオウンドメディア運営に力を入れる企業が増えています。
しかしなかなか成果につながらないという声も。
・狙ったターゲット層に届かない
・集客できても成約にいたらない
・競合と比較されて負けてしまう
このように困っている場合はポジショニング戦略を取り入れた「ポジショニングメディア」を活用することをおすすめします。
今やネットやSNSでのマーケティングは当たり前の時代。
競合ひしめくメディアの世界で成功するには他社との差別化で競争から抜け出すことが必要です。
ポジショニング戦略とはビジネスを優位に進めるためのマーケティング手法です。
自社製品やサービスについて他社にはない強みを打ち出すことで差別化し、業界内での立ち位置(ポジション)を確立します。
例えば無印良品。
インテリア・生活雑貨業界の中で根強いファンを持つブランドとして成功しています。
無印良品は「しるしの無い良い品」という名前のとおり、ロゴを除くほど徹底した「商品のシンプルさ」で差別化を図りました。
今ではシンプルなインテリア・生活雑貨といえば無印良品が思い浮かぶほどポジションが確立できています。
あとから参入する企業に対して認知度の面で圧倒的に有利なので、価格競争に持ち込まれる心配もありません。
安定した売り上げや利益を得るためにもポジショニング戦略は重要です。
ポジショニング戦略を実践するにはまずSTPと呼ばれるマーケティング分析方法への理解が不可欠です。
STPとはセグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の略。
セグメンテーションとターゲティングが完了してはじめてポジショニングに取り組めます。
セグメンテーションとは、対象とする市場の顧客層をグループ(セグメント)に分類することです。
売り込みたい市場にどのような顧客がいるのか、またどんなニーズがあるのかが見えるようになり、全体像がつかめます。
分類の基準となる変数は次の4種類です。
人口統計的変数(デモグラフィック変数)
年齢、性別、職業、所得、学歴、世帯構成などで顧客層を分類します。
同じような背景の顧客をグループ化できるので、消費行動が分析しやすくなります。
例えば住宅市場の場合、子育て世代と高齢者世代のグループで住宅に求めるポイントが異なりますよね。
地理的変数(ジオグラフィック変数)
国・市区町村・地域環境・気候・人口密度などに基づき顧客層を分類します。
実店舗が必要なビジネスでは地理的要素に影響を受けるので、大変重要な変数です。
例えば飲食店の場合、車でのアクセスがしやすい場所なのか、暑いのか寒いのかで提供メニューを変える必要がありますよね。
心理的変数(サイコグラフィック変数)
性格・価値観・志向・ライフスタイル・趣味などで顧客層を分類します。
例えば食品を売り出す場合、健康志向かそうでないかでセールスコピーが全く変わってきますよね。
近年はWEB上の閲覧履歴や行動からデータを得られるようになったので、かなり実情に即した分類が可能です。
行動変数(ビヘイビアル変数)
利用頻度・利用時間帯・利用場所・関心度などに基づき顧客層を分類します。
例えば日用品市場の場合、1年に1回しか買わないような商品を毎日売り込まれると逆に購買意欲が失せてしまうもの。
広告の頻度や性質を検討するのに役立ちます。
セグメンテーションで市場の全体像を把握したら、自社が狙いたい(ターゲットにする)顧客層を選択します。
このとき6Rと呼ばれるフレームワークを活用すると検討しやすいです。
有効な規模(Realistic Scale)
十分利益を上げられる規模の市場かを確認します。
顧客数や単価が高い市場は利益も伸びやすいので、基本的に市場規模は大きい方が有利です。
成長性(Rate of Growth)
これからも成長し続ける市場かを確認します。
現在の売上げなどがめざましく勢いがある市場でも、実は今がピークかもしれません。
複合的な視点で長期の成長について見極めましょう。
優先順位(Rank)
顧客にとって優先順位が高い商品やサービスのある市場かを確認します。
優先順位が低い市場は景気が悪くなると厳しい状況に追い込まれやすくなります。
逆に優先順位が高い市場は顧客が能動的に情報を探すので、見込み客が集客しやすい市場といえます。
到達可能性(Reach)
狙った顧客層にアプローチできそうかを確認します。
さまざまなWEBマーケティングや広告プロモーション施策を実施しても顧客に届けられなければ意味がありません。
例えば車でしかアクセスできない場所に中高生向けの飲食店を展開しても集客は見込めないでしょう。
競合状況(Rival)
競合他社やライバルが存在するかを確認します。
すでに大手企業が独占状態の市場や、逆に参入企業が多すぎてパイの奪い合い状態の市場は避けるのが賢明です。
測定可能性(Response)
顧客の反応を測定する手段があるかを確認します。
マーケティングの方向性が間違っていても、反応がないと気づくことができません。
続けていると経営に致命的なダメージを受けることも。
市場参入前にあらかじめ効果測定の指標にできるものの目処をつけておきましょう。
ターゲティングのポイントは、これら6つの指標を総合的にバランスを見て評価することです。
例えば規模(Realistic Scale)が大きいからと飛び込んだところ、成長性(Rate of Growth)が弱くすぐに撤退を余儀なくされることも。
逆に規模(Realistic Scale)が小さくても競合(Rival)が少ないニッチ市場と呼ばれるところをターゲットにすると、安定した収益につながる可能性があります。
最後にポジショニングでターゲット層に対する自社の立ち位置(ポジション)を確立します。
ターゲット層が求めるものを独自性のある立ち位置からアピールできれば成約につながりやすくなります。
他社と差別化できるポジションを見つけることを目指しましょう。
具体的にはまずポジショニングマップを作成し、自社と競合のポジションを可視化します。
ポジショニングマップとは、2つの軸によって競合商品やサービスの位置づけを視覚的に表現したものです。
一般的に、1軸は顧客が重視する属性(例えば、品質や価格)を表し、もう1軸は競合商品やサービスがどの程度満たしているかを示します。
例えば、品質を1軸に、価格をもう1軸にした場合、高品質で高価な製品は左上、低品質で安価な製品は右下に位置することになります。
ポジショニングマップを作成するとターゲット市場の現在の状況が整理できるので、次のような効果があります。
・自社の現在の立ち位置が明確になる
・競合相手と競合テーマが明確になる
・業界内の偏りが発見できる
例えば衣服市場において、高品質で低価格なゾーンにはユニクロという大企業がポジションを確立してしまっています。
他にも無印良品やしまむらなど多数の企業が参入する激戦区です。
あとから参入するにはあまりに不利なので、ターゲット層をずらすという判断ができますね。
優位に立つためにはポジションマップの空いている場所を狙うことを目指しましょう。
競合他社が参入できていない新しい市場、ブルーオーシャンである可能性が高いです。
ただし他社が狙っていないポジションならなんでも良いというわけではありません。
・顧客のニーズがあるか
・自社で本当に狙えるか、実現可能か
・自社の理念と整合しているか
この3点は必ず確認しましょう。
他社が参入していないのは気づいていないからではなく、そもそも顧客のニーズがないのかもしれません。
参入のハードルが高く諦めている可能性もあります。
また自社の企業理念やポリシー、ブランドイメージと合わない市場の場合は参入リスクが高いです。
既存の顧客層・ファン層が離れてしまう事態につながりかねません。
このポジションマップを作成するにあたり、2軸の選択が非常に重要です。
セグメンテーションとターゲティングで顧客層を明確に設定し、適切な軸を選びましょう。
ポイントは2軸に独立した属性を選ぶこと。
例えば「価格」と「手ごろさ」を2軸で組み合わせるのはおかしいですね。
「価格」と「品質」であれば問題ない組み合わせです。
ポジショニングは一度決めたら終わりというものではありません。
軸を再設定して評価し、リポジショニング(ポジショニングの見直し)が必要になることもあります。
固執せずに市場の反応を見ながら最適なポジションを探し続けましょう。
ポジショニングメディアとは上記のポジショニング戦略を取り入れて設計されたメディアのことです。
オウンドメディアの運営で成果が出ない原因は競合他社と差別化できていないことが大半。
ユーザーから見るとどれも同じようなメディアに見えてしまっているということです。
ポジショニング自体ができていても、ユーザーに正しく認知してもらわないと意味がありません。
ここではポジショニングメディアを導入する3つのメリットについてご紹介します。
ポジショニングメディアでは発信する内容を他社と差別化するので、専門性の高いメディアになります。
そのため興味関心をもったユーザーに絞って情報が届きやすいのがメリットです。
ネット上に無数に存在するユーザーの中から見込み客だけを集客できます。
成約率アップや問い合わせ対応など業務効率化に直結し、効果測定もしやすくなりますね。
集客はできているのに成約につながらないといった問題が解消されます。
またユーザーのニーズを的確に満たせるので満足度向上にもつながりますよ。
自社の強みをわかりやすく打ち出せることもポジショニングメディアのメリットです。
ユーザーは損をしたくないという心理が働くので競合他社と比較しています。
違いが見出せなければどれを選んで良いか迷ってしまい、成約につながりません。
わかりやすく強みを打ち出すとユーザーの目にとまりやすく、選ばれる理由になります。
例えば掃除機を買いたいと思ったユーザーがおすすめ商品を探しているとします。
どのメーカーも「吸引力」を打ち出していると見分けがつきませんが、一社だけ「赤ちゃんも起こさない静かさ」を打ち出していたら目にとまりますよね。
ユーザーが赤ちゃんのいる家庭なら強く惹きつけられるはずです。
ポジショニングにより競合他社と差別化すると、市場の中で目立つ存在になります。
オリジナリティのあるコンセプトや商材はユーザーの印象に残りやすいので認知度が上昇。
〇〇といえば〇〇社、と呼ばれるように企業のブランディングにつながります。
ブランディングに成功すると価格競争から抜け出せるのが大きなメリットです。
企業のブランドそのものに価値を感じるファン層ができるので、集客や売り上げが安定する理想的な状態に。
ブランディング戦略に悩む企業は多いですが、ポジショニングメディアを導入することをおすすめします。
ポジショニングメディアは大きな効果が見込めますが、導入するにはかなりの作業量が必要になります。
自社・競合他社の分析から戦略立案、実際のメディア制作まで行うと数ヶ月かかることも。
またメディアは立ち上げたあとも運用しながらPDCAサイクルを回し続けることが求められます。
マーケティングの専門部署がない、担当できる人材が見つからないという会社では現実的に厳しく挫折しかねません。
そんな場合は外部の専門会社に委託することをおすすめします。
他社での導入実績など、蓄積された豊富な事例やノウハウから最適な提案をしてもらえます。
導入から運用後のサポートまで依頼できるのでぜひ検討してみてください。
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